本記事では、改良メダカの楊貴妃(ようきひ)について解説します。
目次
概要
鑑賞用メダカ(改良メダカ)のニックネームの一つです。朱赤の体色をしています。
2004年に大場幸雄氏が作出した、朱赤体色を持つメダカであり、観賞用メダカブームの火付け役となりました。鯉や金魚と同様に、メダカでも赤色の人気は圧倒的です。
品種名・通称
品種名 | 品種名 | 朱赤メダカ |
形質補足 | – | |
共通補足 | – | |
通称 | 楊貴妃(ようきひ) | |
様々な呼び名 | – |
作出情報
作出年 | 2004年 |
作出者 | 大場幸雄 |
メダカナンバー(管理番号)
種類No. | 品種No. | 固定品種No. |
0001 | 0001 | 0001 |
固定率
99%以上
説明
全身が朱赤体色のメダカです。2004年当初、改良メダカの種類は少なく、まだ観賞魚としてほとんど認知されていなかったのですが、楊貴妃の登場(朱赤体色の登場)によって改良メダカへの注目度が飛躍的に高くなりました。今もなお人気の高い品種で、現在のメダカ人気の火付け役となった改良メダカの代表品種です。
幹之(みゆき)メダカと共に、現在の改良メダカが根付く要因となった2大代表品種の一つです。
改良メダカの2大品種
- 楊貴妃(ようきひ|朱赤メダカ)
- 幹之(みゆき|青体外光メダカ)
作出の経緯
琥珀メダカから産まれた子供の中に、1匹の朱赤体色の個体(メス)を発見。その1匹の朱赤メダカをもとに朱赤体色を固定化したのが楊貴妃メダカです。
詳しい作出経緯はこちらの記事にまとめています。
飼育のポイント
楊貴妃は体色固定率99%以上なので特別な選別は必要ありません。ただし、朱赤色の濃さは個体差がありますので、良い体色の個体を種親に選びましょう。稚魚の段階では薄い色をしていますが、大きくなるにつれて徐々に朱赤色へと変貌します。
基本的な飼育方法とよくある質問はこちらの記事にまとめています。
全メダカ共通の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。
普通種の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。
類似するメダカ
紅帝(こうてい)
紅帝は広島県の瀬尾氏が作出した朱赤メダカの1系統です。
楊貴妃との違いですが、楊貴妃は大場幸雄が作出した朱赤メダカで、改良メダカの火付け役として有名です。めだかの館では、楊貴妃系統のメダカを「楊貴妃透明鱗」など楊貴妃○○と呼んでいます。
楊30(ようさんじゅう)
楊貴妃の一系統です。寺井道典典氏によって系統維持されています。
楊貴妃の様々な系統(血統)
楊貴妃にはいくつかの系統があります。これまでに筆者(めだかの館)のところでは35系統を作ってきました。その作出過程でさまざまな特徴の系統が人気となりました。現在(2015年当時)、主流は、以下の3系統です。これらの血統を持つ個体が広く流通しています。
楊30
最も赤みが強い血統といわれ、ヒカリやヒカリダルマはあまり出現せず、普通種が多いとされています。体色遺伝率が高く、最も安定している血統とされます。ヒカリ体型からサムライが産まれてくる血統とされています。
浜楊31
体色遺伝率が高く、最も安定している血統とされます。ヒカリ体型からサムライが産まれてくる血統とされています。
チエ楊貴妃
赤みが強くややピンクがかった体色をしているのが特徴です。以前の品評会では、楊30とチエ楊貴妃でトップ争いを繰り広げてきました。今でも品評会への出品数は楊貴妃が群を抜いて多いです。ヒカリやダルマ、透明鱗といった本品種の別タイプも同様に多くの個体が出品されています。
※本項目は、「日本メダカの飼育と繁殖」, 2015年刊, 大場幸雄著 を参考にしています。
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1匹の価格
2021年時点
通常 | 1,000円 |
血統付き | 2,000円 |
(2021年度版「100年メダカ ~改良メダカ大図鑑~ vol.18」より)
参考資料
書籍
2021年度版「100年メダカ ~改良メダカ大図鑑~ vol.18」
「日本メダカの飼育と繁殖」, 2015年刊, 大場幸雄著
「メダカの種類いろいろ めだかの館 平成20年度 No.7(2008年度版めだかの館カタログ)」,2008年刊, めだかの館著
web記事
めだかの館の所在地である廿日市市のふるさと返礼品として取り扱われています。
学術論文
水産増殖/65 巻 (2017) 3 号/p. 203-208
“楊貴妃メダカ”におけるカロテノイドについて” 塩出 雄亮, 中田 和義