改良メダカの系統図 Ver.7(R05.2.19)

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2000年頃、改良メダカの品種は約20種類でしたが、2023年現在では930種類以上に増えました。

改良メダカの種類(品種)は、7グループ45種類の特徴(形質)の組み合わせにより、説明することが出来ます。

本記事で紹介する系統図は、改良メダカの進化において重要形質を持つ品種だけを選抜して、その作出過程を簡易的に図式化したものです。

2018年より更新を重ね、2023年時点でVer.7を発表しました。改良メダカの進化を理解する一助となれば幸いです。

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改良メダカの系統図230219Ver.7.pdf(PDFファイル,0.6MB)

体色の変化

黄金

2001年作出。初めて原種体色(茶、青、白、黄)以外の体色の固定化に成功した品種。琥珀や楊貴妃などの誕生に欠かせないメダカ。

琥珀

2004年作出。黄金に続き改良メダカの2色目の体色の固定化に成功した品種。

楊貴妃(朱赤)

2004年作出。初めて朱色体色の改良メダカの固定化に成功。鮮やかな朱赤色が人気を博し、改良メダカのブームが起こる。

オレンジ

2006年作出。朱赤体色と黄体色の中間体色。緋メダカでは出ない体色で、楊貴妃が作出されたことによって生まれた体色のため、オレンジ体色として分類された。

ピンク

2009年作出。朱赤体色と白体色の中間色であるピンク体色の固定化に成功。

ピュアホワイト

2003年作出。黄色素胞を持たない純白体色を雌雄に固定化することに成功。作出当事、白メダカはオスがシルキー(黄色素胞を含む白体色:クリーム色)、メスがミルキー(黄色素胞を含まない白体色:純白)に分かれることがほとんどだったが、オスのミルキーを1匹だけ発見し、累代を重ね体色固定率99%に成功。

スカイブルー

2004年作出。パールブルー(原種の青体色より明るい青体色)体色を雌雄に固定化することに成功。シルバー体色と異なり、ヒレに黄色素胞は発現しない。

シルバー

2005年作出。パールブルー体色のメダカの頭部と背ビレ、しりビレ、尾ビレに黄色素胞を発現する品種。オスのみに発現していた特徴をメスに遺伝させ、一つの体色として固定化に成功。

天女

2013年作出。白体色の各ヒレに黄色素胞が発現するメダカ。シルキー体色、クリーム体色とも呼ばれる。

ピュアブラック(スモールアイ)

2001年作出。瞳孔が小さく白い容器でも背地反応(保護色)しないブラック体色の品種。1匹のピュアブラックの発見から品種の固定化に成功。瞳孔が小さいため周りの反射光(環境の色)を判断できず、背地反応しないことで黒い体色を維持していると推察される。目のバリエーションの一つ“スモールアイ”の元祖となる品種でもあり、作出した2001年頃、もっとも黒いと評されたメダカ。

ピュアブラック黄金

2002年作出。ピュアブラック同様、瞳孔が小さく背地反応しないため体表は黒であり、各ヒレと腹部に黄金色が発現する品種。ピュアブラック系統の中から尾ビレに黄色素胞が発現する個体を厳選し累代を重ねた結果、茶体色の個体がヒレに色素を有することが判明し、青体色のスモールアイがピュアブラック、茶体色がピュアブラック黄金として確立した。

ブラック

2006年作出。スモールアイによって黒体色を維持するピュアブラックに対し、普通目でも黒体色を維持することに初めて成功した品種。単純な黒さが特徴だが普通目で背地反応をしないことに価値があり、飼育や繁殖のしやすさから黒体色の普及する要因となった。

オロチ

2016年作出。ブラックよりさらに黒を濃くした品種。目、腹、ヒレまで黒くなるのが特徴。現在、もっとも黒いとされるメダカ。

和墨

2019年作出。白と黒の二色のメダカで、黒斑部分の色が濃く退色しない。似た形質の斑は背地反応で退色するため、和墨の黒斑とは別物として分類される。

 

目の変化

アルビノ

目が赤く、体色が白くなる品種。アルビノは黒色素が作れないことが特徴の形質で、目の黒色素がなくなり、血液の色が透けて見えるため、赤い目をしている。体色も同様に、黒色素が作れないため白くなる。

出目

2005年作出。頭部が下にくぼむことで左右に目が突出している品種。

目前

2007年作出。目が斜め前を向いていることで正面から見たときに前を向いているように見える品種。

ビッグアイ

2009年作出。体に対して目だけが大きくなる品種。出目や目前と違い、目が突出して大きく見えるのではなく、眼球そのものが通常より大きくなっている。

ルビーアイ

2010年作出。アルビノメダカの中に黒色素胞を持つ個体がおり、角度によって色が変わるものをブドウ眼と呼ぶ。ルビーアイはどの角度からでも赤黒い目をしている品種。

シースルー

アルビノから虹色素胞が欠如し、目、エラ、腹膜などが透けて見える品種。透明メダカと例えられることもある。

出目目前

2010年作出。出目と目前の交雑により作出。出目の特徴を活かすことで目前の個性が一層引き立つ品種となる。

ビッグアイ水泡眼

2020年作出。眼球の角膜が膨らみ、水泡が形成される品種。2008年に発見された水泡眼は遺伝しない突然変異個体であり、2020年にリリースされた「Hitomi」は水泡眼が遺伝する品種であったため、作出が2020年となる。

ブルーアイ

2021年作出。眼球の瞳孔(黒目)が青色になる形質。角膜にグアニンが発現することで目が青色になる。

スモールアイ

※体色の変化「ピュアブラック(スモールアイ)」に記載しています。

 

 

ヒレの変化

サムライ

2004年作出。背ビレの鰭膜の一部が欠損し、背ビレが二枚に分かれる品種。背ビレの鋭い形状を刀に見立て“サムライ”と命名。

マルコ

2011年作出。背ビレのない品種。

菱尾

2011年作出。普通種体型の尾ビレが菱形になる品種。菱形の尾ビレはヒカリ体型に発現する特徴で、普通種体型の尾ビレは通常、三角形となる。ヒカリ体型の菱形の尾ビレを普通種体型に遺伝させた固定化に成功した品種が菱尾。

メラー

2012年作出。各ヒレの鰭膜が部分的に成長しないことによって、ヒレが複数枚に分かれる品種。

スワロー

2014年作出。各ヒレの軟条が部分的に伸長する品種。

ヒレ長

2015年作出。各ヒレの軟条が伸長し、通常の個体より大きなヒレを有する品種。

ワイドフィン

2016年作出。背ビレとしりビレの幅が広くなる特徴を持つ品種。背ビレをしりビレの軟条の数が増えているため、ヒレの幅が広くなっている。

リアルロングフィン

2020年作出。すべてのヒレが元の形を維持したまま長くなる品種。

■ナローフィン

2022年作出。背ビレとしりビレの幅が狭くなる特徴を持つ品種。背ビレとしりビレの軟条の数は変わらず、ヒレの付け根が密集することでヒレの幅が狭くなっている。

虹色素胞

幹之

2007年作出。背部に光沢のある青い光(体外光)を有する品種。第一回メダカ品評会(めだかの館主催,2007年)に出品され、以降全国に広まった。従来の改良メダカにはない圧倒的な魅力は、改良メダカの認知度の飛躍的向上に貢献する。幹之メダカの形質が関与する品種は100種を超える。

体内光

2009年作出。体外光が体表に光を有するのに対して、体内部に青い光を有する品種。幹之メダカ同士の交配の中から、一定数の確率で産まれる。体内光の光は尾ビレから腹膜にかけて強く発現し、上物個体は腹膜にまで達する。光の色は淡い緑色のような単色。

深海

2010年作出。腹膜の虹色素胞が青い特徴(腹膜青)を持つ品種。青体色だが腹膜青を綺麗に見せるため黒色素胞が少ない個体を累代し、白に近い青体色となっている。

ラメ幹之

2012年作出。多くの鱗片にグアニン層が集まることでラメを形成し、そのラメ(反射光)が美しい品種。ラメ幹之が作出されるまでは、数枚の鱗片にラメを有する個体しか確認されていなかったが、幹之との交雑により、多くの鱗片にラメを遺伝させることに成功した。初期のラメは、青・白体色しか遺伝しなかった。

流星

2013年作出。背ビレの無い幹之メダカ。体外光は背ビレ部分で途切れてしまう特徴があり、背ビレのないマルコを取り入れることで途切れの無い一直線の体外光となった。背ビレの無い形質が改良メダカの見栄えに寄与した稀なケース。

黒幹之

2014年作出。黒体色(ブラック体色とは異なる)に体外光を有する品種。背地反応するため、黒い水槽での鑑賞が適している。オーロラとの交雑により黒色素胞のある個体を選抜して作出。

2014年作出。体外光を有する個体に、黄色素胞が発現する品種。体外光は青体色と白体色にしか発現されなかったが、初めて黄色素胞を有する個体に体外光を遺伝させることに成功した品種。灯が作出されて以降、幹之=青、白体色という概念が変わった。

幹之ロングフィン

2014年作出。背ビレとしりビレの軟条が伸長する品種。ロングフィンの特徴はオスにしか発現しない。

黒ラメ幹之

2015年作出。黒体色(ブラック体色と異なる)にラメを有する品種。ラメ幹之のラメと異なり、青や緑、赤などカラフルなラメ(多色ラメ)を表現する。

黄金ラメ

2015年作出。黄金体色にラメを有する品種。青体色と白体色以外の体色に、初めてラメを遺伝させることに成功した品種。

全身体内光

2016年作出。体後方に光を有する体内光とは異なり、全身に体内光を有する品種。また、光の色に特徴があり、青や緑、赤などカラフルな表現をする。透明鱗、半透明鱗との関連が強い。

三色ラメ幹之

2016年作出。白、朱赤、錦(黒)の三色柄にラメを有する品種。2色以上ある品種に初めてラメを遺伝させることに成功した品種。三色ラメ幹之以降、様々な2色の体色を持つラメ品種が作出される。

紅白ラメ幹之

2016年作出。三色ラメ幹之から斑を除くことで、白と朱赤のシンプルな2色のラメとなる。透明鱗ではないため、ラメの遺伝が可能。

緑光

2016年作出。青幹之メダカ特有の透明感に黄色素胞が程よく分布することで青緑色になる品種。特殊な条件のもの発現する体色のため、緑体色とは呼ばず緑光体色と呼ばれる。

三色体外光

2018年作出。白、朱赤、黒の三色柄に体外光を遺伝させた品種。三色という改良メダカの中では一番多い色を持つ品種に体外光を遺伝させることに成功したため、どの品種にも体外光を遺伝させることができる可能性を導いた。当品種を筆頭に多くの体外光品種が作出される。

モルフォ

2019年作出。尾ビレが扇型となり、ヒレ先が鋸歯状になる品種。

一周光(ヒレ光)

2019年作出。各ヒレの縁が光る特徴を持つ品種。幹之の最大の特徴は背中の体外光だが、ヒレ部分にも光が発現する。そのヒレ光を強くし、ヒレの縁だけが光るように累代した品種が一周光となる。

鱗光

2019年作出。体外光が網目状になる特徴を持つ品種。鱗光から作出された網目状の体外光を持つ品種にことを「鱗血統」と呼ぶ。

マリアージュ

2020年作出。背ビレとしりビレの軟条が伸長し、伸長した部分が分岐することでフサフサしたようなヒレ(フサヒレ)をもつ品種。鱗光ロングフィンとモルフォの交配によって作出された品種で、フサヒレの表現が増し、遺伝率が高くなった。

サファイア

2020年作出。ラメの色を青色で統一し固定した品種。ラメの色は、初代ラメ幹之の銀色の単色、カラフルな色を持つ黒ラメ幹之の多色の2種類であったが、3つ目の色としてサファイアの青色のラメが加わった。

亜種

2020年作出。ヒレの軟条に沿って線上に虹色素胞が発現する(ヒレライン)品種。モルフォから派生した形質で、鰭膜部分に変化がある特徴として、改良メダカでは初めての形質。

スポットラメ

2020年作出。体外光が飛び飛びになり、一つ一つが模様のような形状になる品種。ラメという形質名だが、体外光からの派生品種。

キッシングワイドフィン

2022年作出。マリアージュ由来のワイドフィンの特徴を持つ品種。ワイドフィンと同じく、背ビレとしりビレの軟条の数が増えることでヒレの幅が広くなっている。

半透明鱗

オーロラ

体表が透明感のある青白い体色をしている品種。頭部は透過していることでピンクがかっている。半透明鱗、非透明鱗系統の元となった品種。

クリアブラウン

2010年作出。透明感のある飴色の体色をした品種。オーロラから選抜して作出。ところどころの鱗片に黒色の縁取り(ブラックリム)がある。

オレンジ半透明鱗ブラックリム

2017年作出。オレンジ体色で半透明鱗とブラックリムの特徴をもつ品種。クリアブラウンと楊貴妃透明鱗ヒカリとの交配で産まれた。

朱赤透明鱗ブラックリム

2017年作出。濃い朱赤色をしており、鱗を強調するように黒色素胞が発現する特徴のブラックリムを有する品種。このメダカを元に多くのブラックリム品種が作出される。

オレンジ黒半透明鱗ラメ

2017年作出。少し暗めの朱赤色をした柿色と、黒の2色を発現する品種。柿色は、半透明鱗の全身が透明感のある体色になる特徴を活かし、朱赤と黒がほどよく交わることで表現されている。

令和遺伝子

2019年作出。半透明鱗(オーロラ系)のヒレに黄色素胞が発現しやすい特徴を持つ系統名。

上記以外

透明鱗

眼球や腹膜以外の虹色素胞が欠失し、エラ蓋が透けてホホが血液の赤色を呈し、体表が透ける品種。各体色との交雑により、体色が鮮やかになる傾向がある。

黒い色素を持つ黒色素胞と無色の黒色素胞が混在することで黒斑が発現する品種。背地反応に影響されるため、黒容器以外では黒斑が薄くなる。透明鱗三色の黒色部は錦の遺伝子が関与していると推察される。

錦秋

楊貴妃と錦の交雑により、朱赤体色に黒斑が発現する品種の作出に成功。

白錦

白体色に黒斑の遺伝を固定化。様々な品種と錦が交雑されて、多くの錦系統が誕生する。

琥珀透明鱗

2007年作出。改良メダカに初めて透明鱗を遺伝させることに成功した品種。

透明鱗三色

2012年作出。1匹の個体に三色(白、朱赤、黒)の体色が発現した品種。錦鯉を連想させる姿から“錦鯉のミニチュア”と称され、多くのメディアから注目される。改良メダカが観賞魚として認識された重要な品種。

透明鱗紅白

2012年作出。朱赤飛びにより、白と朱赤の二色で構成される品種。日本で人気のある紅白柄ということもあり、全品種の中でも高い人気を誇る。透明鱗三色から黒斑のない個体を選抜し固定化。

信長

2010年作出。品種名「琥珀透明鱗スモールアイサムライメダカ」。稀有な形質であるスモールアイとサムライ、さらに透明鱗を同時に有する改良メダカの最高峰とも言える品種。

非透明鱗紅白

2017年作出。非透明鱗三色から斑を除くことで、白と朱赤の紅白柄を再現した。非透明鱗三色と同様に、透明鱗紅白と比較して白部分がより白く表現されている。

非透明鱗三色

2017年作出。白、朱赤、黒の三色で構成される品種。朱赤体色をベースにして、朱赤飛びにより白を表現しているのではなく、白体色をベースにして、朱赤、錦(黒)が部分的発現している。透明鱗三色と比較して、白部分がより白く表現されることで、一層錦鯉に近い体色になる。

清流きりゅう

2018年作出。体内が黒い特徴を持つ品種。ブラック体色と違い、体内が黒いため、体色は青となる。

 

※交雑・・・改良メダカにおいては、新品種を作出するために、意図して異品種と交配すること。

※朱赤飛び・・・朱赤体色が部分的欠損することで、欠損部位は透過により白く見える

※原種とは? めだかの館設立当時(2000年)、市場にて入手可能だった品種。野生メダカのことではない。ここでは原種から作出したメダカを改良メダカと呼ぶ。