本記事では、各年のメダカ界のビッグニュースをまとめた記事を紹介します。2009年は幹之、体内光、水泡眼、楊貴妃透明鱗(篤姫、紅)が話題となりました。
はじめに
本記事はめだかの館カタログを参考にしています。現在とは用語が異なる部分が多々ありますが、その事をふまえた上でご一読ください。
※ホタルメダカとは、現在のヒカリメダカの事を指します。
幹之メダカの進化過程
2007年9月、菅様よりお預かりした幹之メダカ。
まずは体色、体型の固定を、その後光の強いメダカに、そして他種への光遺伝を目指し交配中です。幹之の交配水槽は現在No.246を数えています。
2年間での幹之メダカの進化
- 青幹之 光遺伝率と体色遺伝率が90%以上
- 白幹之 光遺伝率と体色遺伝率が90%以上
- 白幹之ダルマ 光遺伝率と体型、体色遺伝率が50%以上
白幹之、青幹之にて頭から尾ビレまで光の入った「スーパー光」や、各ヒレ部に強く光の入った「ヒレ強光」が産まれています。
昨年の第2回日本メダカ品評会において戸松様より出品された幹之メダカは、背中だけではなく体の中まで光っています。その光り方は、夜に蛍光灯の電気を切ると青白く光りますが、それによく似た光を発しています。
他種と交配においては、F1でヒレにシルクのような光の遺伝を確認。F2ではヒレ光、点光、弱光の遺伝を確認中です。
全国のメダカ愛好家の方も、ドリーム幹之を目指し交配を進めています。
この先どのようなメダカになるのか。
やはり幹之はメダカ界のスーパースター!
水泡眼楊貴妃「香世」の発見
第1回春季日本めだか品評会(めだかの館 主催,2008年)に出品されたメダカです。
金魚の水泡眼に似ていることから名前がつけられました。
発見者 久保河内さんの日記
~水泡眼楊貴妃の発見からF3誕生までの記録~より抜粋
2008年5月記
2~3年前より、片目の腫れた楊貴妃を発見していたのですが、ヒーターでやけどしたのだと思い穏やかな一生を送らせていました。2008年4月、両目の腫れた楊貴妃を息子が見つけてくれ、やけどではなく水泡眼だと気付きました。よく見ると2匹、カップルでした。あまりに可愛いので品評会に出品することにしました。100均の入れ物に2匹を入れ、めだかの館へつれて行ったところ、容器の中でメスが抱卵していました。その後、品評会にて最優秀賞をいただき、水泡眼メダカ「香世」と命名していただきました。
楊貴妃透明鱗(篤姫、紅)の新発売!
2006年1月1日、楊貴妃スモールアイ(オス)×透明鱗ダルマ(メス)の交配から3年、やっと思い描いたメダカに辿り着きました。
F1を多くの方に預かっていただき、それぞれの人により交配を繰り返され、小宮系において昨年の第2回日本めだか品評会(めだかの館 主催,2008年)にて発表。ニックネーム「紅」。
多くの方より絶賛されました。
今春発売の紅。体型は普通種とヒカリ、体色固定率は30~70%です。
今年のメダカ界のスーパースターです。
同じF1より、めだかの館で交配を繰り返していたのが「系統No.楊33」です。同じく今春発売。ニックネーム「篤姫」。
体型はヒカリ、ヒカリダルマ。体色固定率は30~70%です。
写真では同じように見えますが微妙に体色が違います。
各メダカのその後
幹之メダカは、2021年現在では、改良メダカの2大品種として確固たる地位をもつ品種となりました。
新幹之メダカは、体内光の特徴を持つ「彩光」となりました。
参考資料
「めだかの館 平成21年度 No.8 」, 2009年 刊, めだかの館 著