白アルビノシースルー(しろあるびのしーするー)とは 改良メダカWEB図鑑No.0583

メダカの品種

本記事では、改良メダカの白アルビノシースルー(しろあるびのしーするー)について解説します。

概要


白体色でアルビノの形質を持つメダカです。アルビノから虹色素胞が欠如し内臓まで透けて見えるメダカです。

白体色、アルビノは次の記事にまとめました。

品種名・通称

品種名 品種名 白アルビノメダカ
形質補足 シースルー
共通補足  
通称 白アルビノシースルー(しろあるびのしーするー)
様々な呼び名  

作出情報

作出年
作出者

メダカナンバー(管理番号)

種類No. 品種No. 固定品種No.
0583 0563 0138

固定率

説明

通常のアルビノ個体よりも、体が透けているとても神秘的なメダカです。体内だけでなく、目の周りも透けており、中には血管まで見える個体も産まれてきます。体色は白と黄の2色があり、体型では普通種体型、ダルマ体型、目体型が作出されています。

アルビノの黒色素胞の欠如、パンダの目・エラ・腹部の虹色素胞の欠如する特徴が合わさり全体が透けて見えます。

普通目にパンダを遺伝させると下の黒色素胞が見えるため目と腹部が黒く見えます。アルビノにパンダを遺伝させると普通目と同じく虹色素胞が欠如するのですが、アルビノには黒色素胞がないため目は血液が透過して赤くなり、腹部は内臓が透けて見えます。

※アルビノメダカは、メラニン合成が行われないことで、目の色が赤く見えるメダカです。体内の血液が透過して赤く見えます。体色は白系、ピンク系、黄系、オレンジ系(朱赤系)のみに限定され、青系や茶系など黒色素胞の含む体色のアルビノを作ることはできません。

稚魚から成魚になる段階での飼育が難しく、少しの水質の変化にも敏感に反応するデリケートなー
面があります。繁殖には多少の経験と知識がいる中級者向けのメダカです。特に稚魚から成魚になるまでの段階には注意が必要で、水温や水質の変化に気を付けてください。

皮膚に黒い色素のないヒメダカでも,体腔壁にはメラニンを含む黒色素胞や虹色素胞があり,体の外からは内臓は見えない。若松ら(Wakamatsu et al., 2001)は,交配によって4座位の劣性対立遺伝子を組み合わせて全身にほとんどの色素胞をもたない体の中が透けて見える透明メダカ(see-through medaka:ST-II)を作成した。

「新版 メダカ学全書」p.332 ,2006年 刊, 若松 鷹司 著

作出の経緯

2001年頃のアルビノメダカの交配の様子をこちらの記事にまとめました。

飼育のポイント

基本的な飼育方法とよくある質問はこちらの記事にまとめています。

 

全メダカ共通の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。

普通種の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。

類似するメダカ

白メダカ

白アルビノメダカ

白透明鱗アルビノメダカ

白アルビノメダカ

白透明鱗アルビノメダカ

白アルビノシースルーメダカ

引用 日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ品種分類マニュアル p.60

ギャラリー

写真

参考資料

書籍

2021年度版「100年メダカ ~改良メダカ大図鑑~ vol.18」

「2019年度版 最新メダカカタログ 」,  2019年 刊, めだかの館 著

「新版 メダカ学全書」p.332 ,2006年 刊, 若松 鷹司 著

動画

学術論文

The see-through medaka: A fish model that is transparent throughout life. 
WAKAMATSU Y, PRISTYAZHNYUK S, KINOSHITA M, TANAKA M, OZATO K
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98(18) 10046 – 10050 2001年  

参考 https://www.pnas.org/content/98/18/10046

遺伝子機能解析のためのポストゲノム実験動物メダカ(生きたまま内臓(細胞)を見られる「透明・遺伝子導入」メダカ)
田中 実, 友永 健士, 木下 政人, 若松 佑子
生物物理2003 年 43 巻 2 号 p. 93-96

参考 https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/43/2/43_2_93/_article/-char/ja/

その他資料