ピンクサファイアの作出と命名の経緯

スタッフブログ

この度販売を開始しました「ピンクサファイア」について、作出経緯及び販売経緯について複数のメダカ愛好家様よりご質問をいただいております。

当店ホームページで経緯について説明をしておりますが、本記事ではより詳しく経緯を説明します。

本記事と合わせて、当店ホームページの記事もご覧いただければ幸いです。

こんな人にオススメの記事です!
  • ピンクサファイアってどのようにして産まれたの?
  • めだかの館のピンクサファイアへの考え方が知りたい

当店が新品種を命名する際のルール

新品種を作出する際の流れをスライドにまとめました。

要点をまとめますと

  • 命名には業界共通ルールがないため、各店で命名ルールを決めている
  • めだかの館では「作出」時に命名している
  • 命名前には調査を実施し、同じ名前がないことを確認している

の3つです。

 

このルール詳細については、下記記事にまとめていますので、ご参照ください。

ピンクサファイアの作出と命名の経緯について

めだかの館のピンクサファイア作出の概要

  1.  交配期間:2020年7月~2022年4月
  2.  作出時期:2022年4月
  3.  メダカ名「ピンクサファイア」の調査期間:2022年4月~8月
  4.  ピンクサファイアの情報発信:2022年8月15日(Instagram)
  5.  ピンクサファイアの発表:2022年10月1日(第13回秋季日本メダカ品評会)
  6.  ピンクサファイアの販売開始:2022年10月9日(めだか村メダカ市)

めだか村メダカ市での販売の様子は、youtube(めだかの館)からご覧いただけます。

 

めだかの館のピンクサファイア作出の詳細

  • 2020年7月:スポットラメ×ブラックダイヤ交配開始
  • 2020年11月:スポットラメ×ブラックダイヤF1交配開始
  • 2021年2月27日:スポットラメ×ブラックダイヤF2からオーロラピンク体色を選別、交配開始
  • 2021年6月:オーロラピンクラメの固定を確認。オーロラピンクラメとサファイアの交配を開始
  • 2021年10月:オーロラピンクラメ×サファイアF1を選別、茶体色で青ラメの個体を選別して交配開始。
  • 2022年1月:ピンク体色で青ラメ個体を確認、選別して交配開始。
  • 2022年4月:固定を確認、めだかの館に持込。選別して交配。
  • 2022年8月15日:親メダカをInstagramに投稿

 

めだかの館のピンクサファイア命名の時期と経緯

上記のとおり、当店は「作出」時に命名しますので
ピンクサファイアは2022年8月15日に命名しました。
発表は、作出者の和田敏拓氏のInstagramにて行いました。
https://www.instagram.com/p/ChSG03_p0HM/

 

上記のとおり、命名前には「ピンクサファイア」という名前がメダカにおいて使用されていないか調査を実施しました。

結果、2022年8月15日時点では、「ピンクサファイア」という名前がメダカに使用されている事実を確認できなかったため、新たに作出したメダカに「ピンクサファイア」と命名し発表しました。

※なお、めだかの館では発見~作出期には管理名(ハウスネームみたいなもの)を用いますが、販売前の作出時に正式な名前(販売時に使用する名前)を付与することとしています。

※ピンクサファイアの場合、正式命名日が2022年8月15日であり、以降名前を変更することはない意識で命名をしています。

 

めだかの館のピンクサファイア命名日
2022年8月15日に、メダカ界で「ピンクサファイア」の名称がつけられていないことを確認して、命名しました

めだかの館以外のピンクサファイアについて

当店の以外もピンクサファイアというメダカが販売している、というご質問を多くいただいております。

当該作出者様の許可をいただいていないため、ここでは仮にA様とし、名前を伏せさせていただきます。以下、

  •  めだかの館作出のピンクサファイアを館ピンクサファイア
  •  A様作出のピンクサファイアをAピンクサファイア

とします。

 

これらのピンクサファイアについて、当店の考えをお伝えします。

Aピンクサファイアと館ピンクサファイアの作出経緯は同じか?

全く異なる交配から作出されたメダカです。このことは、A様とダイレクトメールにて相互確認済みです。

当店の作出経緯は上記のとおりです。
A様の作出経緯は、現在のところご本人様からは直接確認がとれていませんが、少なくとも当店と異なることは相互に確認済みです。

Aピンクサファイアと館ピンクサファイアの特徴は同じか?

Aピンクサファイアの表現・特徴については、を写真で拝見する限り「ピンク体色であり、青色のラメを有する」メダカであると判断でき、館ピンクサファイアも同様の特徴を有しています。

このことから、Aピンクサファイアと館ピンクサファイアは非常に類似した特徴を持っている、と考えています。

 

Aピンクサファイアと館ピンクサファイアは同じメダカか?

同じかどうかは、なにに着目するかによって異なります。

名前については、どちらも「ピンクサファイア」ですので、同じメダカの名前です。

作出経緯は、上記のとおり異なるメダカです。そのため、保有する遺伝子も異なりますし、今後産まれるメダカの特徴も異なることが予想されます。

特徴は、上記のとおり非常に類似していますが、詳細には違いがあるものと考えています。

めだかの館の考え
名前は同じ。作出経緯は異なる。特徴は類似している。

Aピンクサファイアと同じ名前で館ピンクサファイアを販売することについて

上記のとおり、当店では2022年8月15日に館ピンクサファイアを「ピンクサファイア」として発表しています。その際、ピンクサファイアという名前が、改良メダカにつけられていなかったことを確認しています。

一方で、2022年9月7日に、A様が自身のTwitterアカウントにて「ピンクサファイア」の名称を使用していることを、この度のご指摘を機に確認しました。

 

同じ特徴の名前が、同じ名前で販売されることは混乱を招く可能性があるため、このことについてA様とダイレクトメールにてやり取りをしました。

当店としては、作出者様の作出の苦労を十分に理解しているつもりですので、A様のご意見をお聞きし尊重しつつ、ともにピンク体色のラメメダカの普及が出来れば、と考えておりました。

 

しかし、作出と命名のルールがお互いに異なることから折り合いがつかず、結果としてお互いがお互いに自分のメダカを説明をしましょう、とし、やりとりを終えました。

 

当店としては、上記のルールを20年以上堅持しつつ改良メダカの作出をしてまいりました。今回も同様の手順を踏み新品種「ピンクサファイア」を作出しましたので、これまで通り自信をもってピンクサファイアの販売を継続してまいります。

A様作出のピンクサファイアについては、その普及を応援したいと考えております。

 

Aピンクサファイアが先に販売したため、館ピンクサファイアは名前を変えるべきではないかという意見について

繰り返しになりますが、改良メダカの命名は、業界ルールはないため各店によって異なります。

当店及びA様の命名ルール(命名権)は

  • 当店:作出時が命名権がある
  • A様:販売時に命名権がある
であると当店は認識しています。

 

館ピンクサファイアの作出時期、販売開始時期は下記のとおりです。

作出時期:2022年8月15日(Instagram @watti_medaka)
https://www.instagram.com/p/ChSG03_p0HM/?hl=ja

販売開始時期:2022年10月9日(めだか村メダカ市 広島県)
https://www.youtube.com/live/HmQbk4JvWaQ?feature=share&t=3589

 

 

Aピンクサファイアの作出時期、販売時期は、当店が調査した限り下記の通りです。(ご本人さまへは未確認です)

作出時期:不明
(Twitter A様アカウントにて初めてピンクサファイアの名称が使用されたのが2022年9月7日
※2022年6月に販売(リリース)した、という情報も寄せられましたが、「ピンクサファイア」の名称を使用した投稿などは確認できませんでした。

販売開始時期:2022年11月30日?(ヤフオク A様アカウント)

 

※調査については、記録に残る情報を対象としています。書籍、改良メダカの主要なネットページ、SNS、ヤフーオークション、youtubeなどを対象に調査しています。現地販売については、すべての現地販売を確認することは不可能であることと、記録に残らないことから調査対象外としています。

※このことについて、当店の情報が誤っている可能性があります。正しい情報をお持ちの際は、お手数をおかけしますが、ご連絡をいただければ幸いです。

 

現在のところ、作出時期及び販売開始時期ともに当店の方が早いため、館ピンクサファイアの名前を変更する必要はないと考えています。
なお、このこと(名前を変更しないこと)が、Aピンクサファイアを否定するわけではないことを、ここでは強く訴えたいと思います。

繰り返しますが、新品種を作出した方へは敬意をもって対応し、そのメダカの普及を応援したいと考えています。また、A様に対して、Aピンクサファイアの命名を変更するよう要望する予定は一切ございません。

 

もし当店の調査不足によりA様の方が先にピンクサファイアという名称を使用していた場合、事実を確認の上、対応を検討したいと考えております。

最後にメダカ愛好家の皆様にお伝えしたいこと

命名ルールについて

今回の件については、命名ルールが制定されていないことに起因する問題であると認識しています。メダカ愛好家の皆さまが納得する共通の命名ルールがあれば、メダカの名前の先取権問題は解決できるのではないでしょうか。

すぐの解決は難しいにしても、メダカ愛好家の皆様に安心して改良メダカを愉しんでいただくために、新品種としてメダカを発表及び販売する際のルールについて、これまで以上に考えていきたいと思います。

ご賛同いただける方がいれば、ご協力を賜れれば幸いです。

メダカ愛好家が純粋にメダカを愉しめるために

メダカ事業をしていて悲しいことの一つに、メダカ愛好家同士のトラブルがあります。

本来は同じ趣味を持つ仲間のはずなのに、行き違い等からケンカに発展するなど、トラブルが散見されます。

同じ趣味とは言え、すべての方同士が仲良くなることは難しく、またその必要はないと考えています。

 

しかし、愛好家同士がお互いの悪口を言いあう必要も、ないのではなでしょうか。

 

今回の件でいえば、当店から館ピンクサファイアを購入したお客様がトラブルに巻き込まれることを何よりも恐れており、そのようなことが起こらないよう対応することがメダカ事業者としての務めであると考えています。

館ピンクサファイアについて、疑問やご意見、ご批判があれば、どうか直接当店にご連絡をお願い申し上げます

お願いでしか申し上げられませんが、SNS上で一般のメダカ愛好家様にご意見することは、どうか謹んでいただきたく存じます。

 

メール medakanoyakata2000★gmail.com (★を@に変更ください。返信に時間がかかる場合があります)
電話 0829-39-4711(9:00~17:00、火曜以外)

 

長文にお付き合いいただきありがとうございました。
皆様のメダカライフがより豊かになりますように。