改良メダカの新品種作出と命名の流れ

スタッフブログ

めだかの館は新品種をどうやって名付けて販売しているの?というご質問をいただきました。

改良メダカは毎年多くの新品種が作出(さくしゅつ)されていますが、そのルールや流れは
メダカ店が各々決めているのが現状です。

本記事では、めだかの館での新品種作出と命名の流れや、その際のルールについて紹介します。また、センシティブな問題であるメダカの命名などに関するトラブルに巻き込まれた方にお伝えしたいこと、お願いしたいことをまとめました。

本記事によって、皆様のメダカライフがより豊かになる一助となれば幸いです。

こんな人にオススメの記事です!
  • メダカの命名ルールってどうなってるの?
  • めだかの館の販売しているメダカのルールが知りたい
  • トラブルに巻き込まれた際の対応が知りたい

概要

一連の流れをスライドにまとめてみました。

基本的には、新しいメダカが産まれて販売されるまでには3つのステップがあります。

 

1.発見

  • 改良メダカの交配の結果、新しい表現のメダカが誕生
  • 偶然に新しい表現のメダカを発見

 

2.作出

  • 固定化を確認(固定率は表現により異なります)
  • ニックネーム(通称)を命名

 

3.販売

  • 販売に値する質と固定率を確認

 

発見から販売までは数か月から数年、長ければ十年以上かかることもあります。
それほど、「新品種を作出した」という言葉には重みを感じていますし、命名についても慎重に調査を行います。

より詳細なことについては、本記事以外にも追って投稿をしたいと考えています。

よくある質問

次に、よくある質問について回答します。

Q1 発見、作出、販売は同じ人(店)が異なることはありますか?

あります。

メダカは「作る人」「育てる人」「売る人」がいると言われています。
めだかの館はすべてを実施していますが、メダカを「作るけど売らない人」を応援しています。

そのため、売らない人(ショップを持たない人)が新品種を作出した場合、希望に応じてその品種の普及(情報発信及び販売)をお手伝いすることがあります。

その場合

  • 発見・作出者:ブリーダー
  • 販売者:めだかの館
と整理しています。

 

「作る」「育てる」「売る」を3つともこなせる人は稀であり、いずれか1つもしくは2つに特化しているプロもしくはアマチュアが多いように感じます。また、プロ(ショップ)でない、アマチュアでも新品種を作出できることが、改良メダカの魅力の一つです。

創業以来、メダカを作ることに長けているが販売をしておらず品種の普及ができないという方(「作る」に特化して「売る」をしていない方)を多くみてきました。このような愛好家の発表の場をつくることが、改良メダカ全体の普及につながると考えています。

当店では、販売だけでなく、書籍への掲載、ネットによる情報発信、新品種発表の場である品評会のサポート、などを通じて、販売をしていない愛好家が作出したメダカの普及活動を応援してきました。

新品種を作出することの大変さを誰よりも理解しているつもりですので、新品種を作出した愛好家に敬意を表しつつ、今後もこのような活動を続けていきます。

よう吉
めだかの館は販売をしていない愛好家も応援することで、改良メダカ界全体をよりよくしていこうと考えています!

Q2 作出後、すぐに販売しない理由はなんですか?

お客様に満足のいくメダカをお届けするためです。

ほとんどのお客様は購入したメダカを繁殖させるため、「次世代にどのような表現になるか」が販売するメダカの商品価値を左右します。そのため、めだかの館で実際に繁殖を行い、固定率や表現を確認して、必要に応じて高品質化(表現を洗練させる、固定率を高める、など)の後、当店の販売基準に達したことを確認してはじめて販売をしています。

例えば、楊貴妃も2004年作出から販売の2005年7月まで、固定率99%を目指し、時間をかけ高品質化に取り組みました。その結果、楊貴妃の普及につながったと考えています。

 

この過程を飛ばし、作出したメダカを早急に売る方がお店にとっては売り上げにつながるのですが、売り上げよりも優先すべきは愛好家が安心してメダカを購入できること、購入したメダカに満足いただけることです。そのための高品質化に、当店は時間を惜しみません。

 

一方で、高品質化に時間がかかることもあり、作出時点で一旦は新品種の特徴と名前の情報を発信するようにしています。その際には、同じ名前のメダカが既に存在していないか、念入りに調査を実施しています。改良メダカの命名は、業界のルールが存在しないため、どちらが先かという問題が発生しやすく、慎重に取り扱う必要があると考えています。

新品種作出の発表前に実施すること
同じ名前のメダカが既に存在していないか念入りに調査

また、業界ルール制定の必要性も理解しており、日本最大の改良メダカ愛好家団体「日本メダカ協会」が設立する前から、その必要性を訴え、ルール制定にとりくんできましたが、当店の力不足もあり、制定に至っていないのが現状です。

 

ルールの必要性を訴える方が増えることが、ルール制定へ前進する一歩だと思いますので、今回はここまで思いを書かせていただきました。

よう吉
詳しい理由は別の記事で説明予定です!

Q3 調査中に同じ名前のメダカを発見した時はどうするのですか?

混乱を生じさせないためにも、同じ名前を避けて命名するようにします。

めだかの館では作出時に命名をすることとしていますので、その時点までの調査は念入りに行います。

 

ただし、体色などの特徴や流通している通称などの組み合わせ名については、この限りではありません。例えば「オロチ+ラメ=オロチラメ」などは、例えば同じ名前だとしても、オロチとラメの特徴を持つメダカ、と容易に想像できる慣用的な名前のため、利用することがあります。

もちろん、オロチラメの特徴を持つメダカが作出されているため、オロチラメを当店の新品種として情報発信することはありませんが・・・。あくまで、そのメダカの名前を使って、販売をすることがある、というものです。

※容易に想像できる慣用的な名前については、センシティブな問題を含みますので、後日詳細をブログに書く予定です。

 

なお、少し話がそれますが、このことは、メダカの商標権にも関与する話です。
メダカの命名にルールはありませんが、自分が付けた名前の商標権を取得することは可能です。

2005年に楊貴妃を販売し大ヒットした際には、多くの方から「楊貴妃」の商標権を取得すべきだ、とご意見をいただいたそうです。

ただ、当店の代表は

「楊貴妃を日本のみならず世界中の人に使ってほしい。楊貴妃メダカとして販売するたびに、当店にお伺いを立てなければいけないなんて、楊貴妃の普及につながらない。だから、商標権は取得しない」

と判断したそうです。

 

このような考えから、他店様が作出したメダカについても、その作業に敬意を表し、命名したお名前を拝借して実際にメダカを販売しています。

メダカの名前についは、お互いに敬意をもって取り扱うことが、なによりの問題解決につながると信じています。

よう吉
慣用的な名前については、別の記事で説明予定です!

トラブルに巻き込まれた際の対応

購入したメダカ、自分の購入したショップについて、現実やネット上にて様々な意見を見聞きする機会があるかと思います。

 

当店として、対象者ごとに
・お伝えしたいこと
・お願いしたいこと

 

をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

 

めだかの館でメダカを購入したお客様にお伝えしたいこと

当店でメダカをご購入いただきありがとうございます。

もし、当店で購入したメダカについて、「偽物だ」「品質が悪い」など言われたら、とても傷つくことかと思います。

 

しかし、安心してください。

当店が販売しているメダカは、当店スタッフが高品質なメダカをあなたにお届けするため、時間をかけ、自信をもって、お届けしております

 

ネット上や現実には様々なご意見があります。会ったことのない人、知らない人のご意見に左右されることなく、当店の発する言葉を信じていただいて大丈夫です

もし、心配なことがあればいつでも連絡をください。メダカに関する不安が解消するよう、当店スタッフがお答えいたします。

よう吉
購入したメダカで気になることがあれば、気軽に連絡をください

めだかの館でメダカを購入したお客様にお願いしたいこと

仮に、当店の悪口を見聞きしたとしても、スルーしていただければと思います。

ありがたいことに、当店を思うあまり、ネット上で反論をしたりいただけることがあるのですが、当店に関することは当事者である当店が対応すべきだと考えています。「こんな投稿を見かけたんですが・・・」と当店まで教えていただければ幸いです。

 

また、当店のお客様が他のメダカ愛好家様を攻撃(ネット上で嫌味を言う、など)することは、当店の本意ではありません。メダカ愛好家同士がいがみ合う理由はどこにもないはずです。お客様同士がケンカになることほど悲しいことはありません。お気持ちはうれしいのですが、同じメダカ愛好家同士、攻撃はしないようお願い申し上げます。

よう吉
ぜひメダカと向き合う時間を大切にしていただきたいです

 

めだかの館でメダカ情報を取得したお客様にお伝えしたいこと

改良メダカを安心して楽しんでいただくため、メダカ同様、発信する情報の質と量にも、こだわりと自信を持っております。

ただし、当店はあくまでメダカ屋であるため、調査能力や文書作成能力の欠如により、誤解を招く情報の発信や、誤情報を発信する場合があります。

 

その際は、お手数をおかけしますが、ご一報をいただければ幸いです。

 

いただいたご意見については、内容を精査し、真摯に対応させていただきます。必要に応じて、情報の修正の発表なども実施いたします。

よう吉
皆様のご協力により、より良い情報発信が可能になります

めだかの館でメダカ情報を取得したお客様にお願いしたいこと

ご情報を発見した際には、可能であれば、当店に直接ご連絡いただければ幸いです。SNS等の発信では、当店がその情報をキャッチできない可能性があるためです。

 

より正しく、みなさまのためになる情報発信に努めておりますので、ご協力をお願い申し上げます。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

 

改良メダカはだれでも新品種が作出できることが魅力である一方、作出の経緯や命名に関するトラブルも多いため、当店の考えをまとめてみました。

今回紹介できなかったことについては、今後ブログなどで発信していく予定です。

 

聞いてみたいこと、発信してほしいことがあれば気軽にご連絡をください。

 

  • メール medakanoyakata2000★gmail.com (★を@に変更ください。返信に時間がかかる場合があります)
  • 電話 0829-39-4711(9:00~17:00、火曜以外)

 

皆様のメダカライフがより豊かになりますように。