本記事では、改良メダカの弁慶(べんけい)、ピュアブラックヒカリダルマメダカについて解説します。
目次
概要
ブラック体色でスモールアイの形質を持つヒカリダルマ体型のメダカです。ピュアブラックヒカリダルマメダカと弁慶は、どちらもニックネームです。
ブラック体色、スモールアイは次の記事にまとめました。
品種名・通称
品種名 | 品種名 | ブラックスモールアイヒカリダルマメダカ |
形質補足 | ||
共通補足 | 背地反応なし | |
通称 | 弁慶(べんけい)、ピュアブラックヒカリダルマメダカ | |
様々な呼び名 |
作出情報
作出年 | 2004年 |
作出者 | 大場幸雄 |
メダカナンバー(管理番号)
種類No. | 品種No. | 固定品種No. |
0449 | 0430 | – |
固定率
–
説明
ブラック体色でスモールアイの形質を持つヒカリダルマ体型のメダカです。
2003年に大場氏が作出。体色が黒でほとんど背地反応しないことから、作出当時にいた一般的に飼育されていたクロメダカ(茶メダカ)と比較し、ピュアブラックメダカの愛称が付けられました。スモールアイの形質を持ち、ピュアブラック同士の交配でも遺伝率は低いです。
元々は、
品種名:ピュアブラックヒカリダルマメダカ
ニックネーム:弁慶
でしたが、2020年に日本メダカ協会から発表された「品種分類マニュアル」の分類に従って、現在ででは
品種名:ブラックスモールアイヒカリダルマメダカ
ニックネーム:弁慶 、 ピュアブラックヒカリダルマメダカ
と整理しています。
本来メダカは保護色機能により、周囲の色彩に合わせて体色を変化させますが、ピュアブラックメダカは瞳孔が小さいため、周りの環境を確認することができずに白の水槽でも黒い体色を保ち続けます。
瞳孔が小さい影響で、他のメダカに比べ少しデリケートな部分があり、ピュアブラックメダカ同士の交配においても、純黒のピュアブラックメダカが産まれてくる可能性は高くありません。作出から18年経った今でも、飼育・繁殖共に上級者向けの品種です。
引用 「2019年度版 最新メダカカタログ 」p.38, 2019年 刊, めだかの館 著
スモールアイは、瞳孔が非常に小さく視力が弱いため、保護色機能による体色の変化が少ないことが特徴です。2001年にピュアブラックメダカ(ブラックスモールアイメダカ)が作出され、現在の改良品種メダカの原点となるメダカ達と交配させていることから、どのメダカからもスモールアイが産まれる可能性があります。
固定率が低く、非常に希少な品種です。また、視力が弱い為飼育難易度は高く、しっかりとしたエサやりなどが必要です。
スモールアイ品種の一種に片目スモールアイがあります。二つある目のうち、片方がスモールアイ、もう片方が普通目で、決して可愛いメダカではないですが、スモールアイを作出する上では重要なメダカです。スモールアイ同士を掛け合わせてもなかなか産まれることがないスモールアイ品種。たとえ片方の目だけがスモールアイだとしても、そのメダカの持つ”スモールアイの遺伝子”は、普通の兄弟メダカより何十倍も重要です。
黒目の部分が著しく萎縮したもので、視力が非常に弱いため保護色機能が弱く、濃い体色をしている場合が多い。
(中略)
遺伝率は低いが、累代繁殖を続けたり、戻し交配をすることで比率を高めることはできる。
引用 「メダカ品種図鑑Ⅱ」p.140 ,2020年 刊, 森文俊 著
作出の経緯
コチラの記事にまとめました。
飼育のポイント
基本的な飼育方法とよくある質問はこちらの記事にまとめています。
全メダカ共通の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。
ダルマ体型の選別ポイントはこちらの記事にまとめています。
類似するメダカ
黒べえ(ブラックスモールアイ)
利休(ブラック黄金スモールアイ)
小次郎(ブラックスモールアイヒカリ)
武蔵(ブラック黄金スモールアイヒカリ)
小錦(ブラックスモールアイダルマ)
武蔵丸(ブラック黄金スモールアイダルマ)
義経(ブラック黄金スモールアイヒカリダルマ)
ギャラリー
写真
参考資料
書籍
2021年度版「100年メダカ ~改良メダカ大図鑑~ vol.18」
「2019年度版 最新メダカカタログ 」, 2019年 刊, めだかの館 著
「メダカ大図鑑」, 2015年 刊, めだかの館 著
「メダカ品種図鑑Ⅱ」,2020年 刊, 森文俊 著
その他資料
ブラックメダカの進化の歴史
最初に作出されたブラック体色のメダカは,2001年にめだかの館で作出された「ピュアブラックメダカ」です。
ピュアブラックメダカの目はスモールアイであるため背地反応しないという特徴を持ち,結果として黒体色を発現しています。
次に作出されたブラック体色のメダカは,2009年に作出された「小川ブラック」です。
茶体色の中でも黄色素が少なく,黒色素が多いパープルブルーの中からさらに黒色素胞の多い個体を選抜したことで,普通目でも背地反応しないブラック体色が産まれました。