改良メダカの特徴であるブラック体色とブラック体色の補足「ヒレ黄(ブラック黄金)」「背地反応なし」ついて説明します。
本ページは、日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ品種分類マニュアルを基に解説しています。
目次
由来・概要
青体色のパープルブルーよりさらに黒色素胞が多くなったメダカです。
ブラック体色の中には背地反応(保護色機能)する個体と,背地反応しない個体がいます。
また,ブラック体色は黄色素胞が欠如した体色であり,黄色素胞を有するブラック体色は,形質補足のヒレ黄に該当します。
最初に作出されたブラック体色のメダカは,2001年にめだかの館で作出された「ピュアブラックメダカ」です。
ピュアブラックメダカの目はスモールアイであるため背地反応しないという特徴を持ち,結果として黒体色を発現しています。
次に作出されたブラック体色のメダカは,2009年に作出された「小川ブラック」です。
茶体色の中でも黄色素が少なく,黒色素が多いパープルブルーの中からさらに黒色素胞の多い個体を選抜したことで,普通目でも背地反応しないブラック体色が産まれました。
特徴
体色が黒である
形質補足
補足についてはこちらの記事にまとめています。
ブラック(ヒレ黄)(ブラック黄金とも呼ばれる)
黄色素のあるブラック体色です。体は黄色素を含む茶黒になり,各ヒレは黄色素胞が顕著に発現しています。ブラック黄金メダカやブラック黄金体色と呼ばれます。 |
背地反応なし
メダカの体色が、黒水槽ではより黒っぽく、白水槽ではより白っぽくなる現象を背地反応(はいちはんのう)と言います。
ブラック体色の中には,背地反応をする品種としない品種に分かれます。これらは,黒水槽ではほとんど見分けがつきませんが,白水槽では明確に判別できます。
背地反応しないブラック体色は,白水槽でも黒い体色を保ちます(下図三洋)。
背地反応するブラック体色は,白水槽に入れると5分程度で灰色になります。
類似した形質
ブラック体色は青(パープルブルー)とよく似ています。
パープルブルーとブラック体色(背地反応あり)の明確な判別基準はなく,色合いが重複している部分があるため,各愛好家の判断に委ねられます。
背地反応しないブラック体色の中でも,黒色素胞の量により目やヒレが黒になる個体がいます。
青とブラック体色の違いまとめ
黒とブラックの違い
簡単に言えば、黒は背地反応あり、ブラックは背地反応なしの時に使用されます。ただし、その様な使用例が多いだけで、明確な決まりはありません。
このように、ニックネームでは「黒」「ブラック」の両方が使用されますが、品種分類マニュアルの特徴では「ブラック体色」という名称で統一しています。
代表的な品種
黒べえ(ピュアブラック)
品種名:ブラックスモールアイ
ニックネーム:黒べえ(ピュアブラック)
利休(ピュアブラック黄金)
品種名:ブラックスモールアイ
形質補足:ブラック(ヒレ黄)
ニックネーム:利休(ピュアブラック黄金)
ブラックメダカ一覧
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参考資料
・野生メダカの体色は黒色というより,暗褐色をしているのに対し,このブラックは黄色素胞が少なくなりながら黒色素胞がより多くなったことで黒みの強い体色をいう。野生めだかを「黒 メダカ」と呼ぶこともあり,混乱しやすいため,体色変異型の改良品種はそれを区別するため 「ブラック」と呼んでいる。
(メダカ品種図鑑p144:(株)ピーシーズ,2018年3月刊)
日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ 品種分類マニュアル(第2版、2022年4月刊)
解説動画
最後に
改良メダカの「ブラック」の世界は、とても奥深く広がりがあります。黒にこだわる方が多く、歴史も長いため、分類が複雑になります。
品種分類マニュアルでは、ブラック黄金という従来は形質名だったものを「ブラック」形質に含めたことがポイントです。
質問の多い「オロチ」の品種分類ですが
品種名:ブラックメダカ
補 足: ブラック(背地反応なし)
となります。
改良メダカの44種類の特徴
体色の特徴
透明鱗(とうめいりん)の特徴
目の変化の特徴
虹色素胞(こうしきそほう)の特徴
柄(がら)の特徴
ヒレの変化の特徴
体型の特徴