改良メダカの特徴であるラメについて説明します。
本ページは、日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ品種分類マニュアルを基に解説しています。
目次
由来・概要
鱗1枚1枚に光が発現するメダカです。鱗片(りんぺん|うろこ1枚のこと)に虹色素胞(こうしきそほう)が集まることで,キラキラとした光を表現しています。
現在のラメは体を覆うほど多くの光を発現しますが,体外光が世に出回る前(2008年以前)のラメは数枚程度の光しか発現しなかったため,ラメは重要な形質として認知されていませんでした。
ラメが人気を博す大きな要因となったのは,2012年に氏が作出した白ラメ幹之メダカ(品種名:白ラメ体外光)が発表されたことです。数枚の光しかなかったラメに幹之(体外光)を交配することで,体を覆うほどのラメを発現させることに成功しました。
幹之(体外光)が交配されていないと多くのラメが発現しないことから,ラメ幹之(ラメ体外光)と呼ばれていましたが,体外光のないラメがいることから,品種分類マニュアルでは
鱗片に光が発現する個体をラメ
背中に光が発現する個体を体外光
と分類しました。
特徴
・鱗片に光が発現する
・透明鱗性には発現しない
形質補足
補足についてはこちらの記事にまとめています。
ラメ(白)
ラメの色が白色の単色で発現します。半透明鱗と交配されていないラメは白色の単色になる傾向があります。 |
ラメ(多色)
青色やオレンジ色,金色やピンク色など,様々な色のラメが同時に発現します。半透明鱗性と交配されているラメに多い傾向があります。 |
ラメ(青)
ラメの色が青色の単色で発現します。またラメ・青を固定化した代表的な品種が2020年に静楽庵から発表された「黒ラメ幹之サファイア系」です。 |
類似した形質
何枚程度の光があればラメになるか
前述の通り,昔のラメは数枚程度の光しかなく,体外光との交配によって,多くのラメを発現しています。また,透明鱗性を除くすべての品種にラメが発現します。
何枚以上の光があればラメに分類されるという明確な基準はありませんが,おおよその数で言うと1方向から20枚以上の光があればラメに分類されます。
代表的な品種
星河(青ラメ幹之)
品種名:青ラメメダカ
ニックネーム:星河(せいが)、青ラメ幹之
ラメメダカ一覧
ラメの特徴を含むメダカ一覧は、こちらからご覧いただけます(本サイトの【タグ】にて検索できます)。
参考資料
体側の鱗片の多くに虹色素胞のグアニン層が集まり,上身や横見で見ると,その反射光が美しいタイプで,これを「ラメ」と呼んでいる。当初ラメは銀色がほとんどであったが,現在ではいろいろな色のラメが発現している
(メダカ品種図鑑p76-91:(株)ピーシーズ,2018年3月刊)
日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ 品種分類マニュアル(第2版、2022年4月刊)
解説動画
最後に
ラメの誕生によって、メダカは飛躍的に華やかな観賞魚に成りました。それでも、ラメメダカの誕生からまだ10年も経っていないことを考えると、今度さらにラメメダカが進化していくことも期待できますね!
改良メダカの44種類の特徴
体色の特徴
透明鱗(とうめいりん)の特徴
目の変化の特徴
虹色素胞(こうしきそほう)の特徴
柄(がら)の特徴
ヒレの変化の特徴
体型の特徴