改良メダカの特徴である琥珀体色(こはくたいしょく)について説明します。
本ページは、日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ品種分類マニュアルを基に解説しています。
目次
由来・概要
2004年にめだかの館で作出された全身が琥珀色をしたメダカです。
茶体色よりも赤みが強く,特に尾ビレと稜線(腹のライン)には朱赤に近い色が発現しています。
黄金体色の中から色の濃い個体を選抜し,茶褐色の個体が産まれた後に累代繁殖した結果,琥珀体色が作出されました。
後に産まれた朱赤体色(楊貴妃)は,琥珀メダカからの突然変異で作出されました。
特徴
体色が琥珀である
形質補足
なし
補足についてはこちらの記事にまとめています。
類似した形質
琥珀体色は、茶、黄金体色とよく似ています。
茶体色,黄金体色,琥珀体色の色合いは重複している部分があり,非常に良く似ています。
3体色とも,黒色素胞と黄色素胞があり,黄色素胞の分布や色彩により体色が変わります。
茶体色から黒色素胞が少なく,黄色素胞の多い個体を選抜したメダカが黄金体色であり,黄色素胞の色が濃い黄金体色を選抜したことで黄色素胞が朱赤色に変化したメダカが琥珀体色と考えられています。
茶と黄金と琥珀と朱赤の違い
代表的な品種
琥珀
品種名:琥珀メダカ
ニックネーム:琥珀(こはく)
暁(琥珀ヒカリ)
品種名:琥珀ヒカリメダカ
ニックネーム:暁(あかつき)
琴琥(琥珀ヒカリダルマ)
品種名:琥珀ヒカリダルマメダカ
ニックネーム:琴琥(ことこ)
紅鮭(べにじゃけ)
品種名:琥珀透明鱗メダカ
ニックネーム:紅鮭(べにじゃけ)
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参考資料
・2004年に「めだかの館」が作出,命名した。体色は野生メダカに近い琥珀色であるが, 尾ビレ,背ビレがオレンジ色に染まる特徴がある。
(メダカ品種図鑑p32:(株)ピーシーズ,2018年3月刊)
日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ 品種分類マニュアル(第2版、2022年4月刊)
解説動画
最後に
楊貴妃の前身である琥珀体色
楊貴妃メダカと言えば、ほとんどの方が知っている改良メダカかと思いますが、その前身にあたる品種が「琥珀」であることはあまり知られていないように思います。
楊貴妃メダカはヒメダカから選抜されたのではなく、茶メダカ→黄金メダカ→琥珀メダカ→楊貴妃メダカ(朱赤メダカ)の過程で作出されました。
楊貴妃だけでなく、黄金メダカ、琥珀メダカともに、作出から長い年月が経っているにもかかわらず、いまだに愛好家の多い品種です。
三色メダカも琥珀体色がベース
また、現在では主要な品種となっている三色メダカ(朱赤、白、黒の3色を有するメダカ)も、元は琥珀透明鱗メダカをベースに作出されています。
↓さらに斑(ぶち)の特徴を掛け合わせると・・・
琥珀透明鱗斑メダカと朱赤透明鱗斑メダカをベースに、三色メダカが作出された。
琥珀体色は朱赤体色と混同されたり、やや注目度が低いものの、根強いファンが多くいる体色でもあります。特に、婚姻色によって尾ビレが赤く染まった琥珀メダカは思わず見入ってしまう魅力があります。隠れた銘品種、琥珀体色をぜひ飼ってみてはいかがでしょうか?
改良メダカの44種類の特徴
体色の特徴
透明鱗(とうめいりん)の特徴
目の変化の特徴
虹色素胞(こうしきそほう)の特徴
柄(がら)の特徴
ヒレの変化の特徴
体型の特徴