改良メダカの特徴である半透明鱗(はんとうめいりん)について説明します。
本ページは、日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ品種分類マニュアルを基に解説しています。
目次
由来・概要
普通鱗(ふつうりん)と透明鱗(とうめいりん)の中間の表現で,透明感のある体色のメダカです。
普通鱗、透明鱗はこちらの記事にまとめています。
半透明鱗を見た目で判別する明確な基準はありませんが,普通鱗,半透明鱗,透明鱗を見比べることで,半透明鱗特有の透明感のある体色を目視で確実に判別できることから,形質の一つとして分類しています。
黄、朱赤、青体色の普通鱗と半透明鱗の比較
透明鱗の4つのバリエーション
特徴
普通鱗と透明鱗の中間の表現で,透明感のある体色である
形質補足
なし
類似した形質
透明鱗と同様,半透明鱗も複数の特徴を有しています。
その一つに,黄色素胞が部分的に発現することが挙げられます。
この特徴を白体色で表現することで,白体色に部分的に黄色素胞が発現する2色メダカ(紅白メダカ)が作出されました。
前述の透明鱗による2色メダカと半透明鱗による2色メダカは作出経緯や2色の表現機構が異なります。
透明鱗性の2色は,基本体色である朱赤の色が抜けることで白色を表現しています。
半透明鱗性の2色は,基本体色が白で,黄色素胞が部分的に発現することで2色を表現しています。
半透明鱗メダカ一覧
半透明鱗の特徴を含むメダカ一覧は、こちらからご覧いただけます(本サイトの【タグ】にて検索できます)。
参考資料
普通鱗と透明鱗のちょうど中間に位置する表現である。また,各鱗片が黒色に縁取られる特徴がある。
(メダカ品種図鑑p92-94 :(株)ピーシーズ,2018年3月刊)
日本メダカ協会公式ガイドライン 改良メダカ 品種分類マニュアル(第2版、2022年4月刊)
解説動画
最後に
半透明鱗とオーロラの関係について
メダカを飼育しているからなら、オーロラはよく耳にする単語かと思います。
オーロラと半透明鱗の関係は、一部一致している、ということになります。詳しい解説を下記に引用します。
■オーロラについて
ここで,オーロラを例にとり,系統と形質の違いを説明します。オーロラという言葉には系統としての意味合いと形質としての意味合いを含んでいます。ここでは便宜上前者を「オーロラ系統」,後者を「オーロラ形質」とします。
オーロラ系統とは,初代オーロラメダカから産まれたすべての個体群を指し,いわゆる「オーロラの遺伝子が入っている」「オーロラの特徴が現れる可能性がある」などの情報で売買されているメダカです。これらには,オーロラとしての特徴(=オーロラ形質)があったりなかったりします。系統の意味から,たとえオーロラとしての特徴が無くても,オーロラを祖先に持つメダカ群はすべてオーロラ系統と呼ぶことができます。
オーロラ形質とは,おおよそ大多数の人がオーロラっぽさを感じるオーロラメダカの特徴を指します。具体的には,「メダカの頭部付近がぼうっと透けて,頬のあたりが何となく透けて薄紫のようになっている」という特徴です。この特徴がみられるのは当然オーロラ系統のメダカです。
今回の品種分類マニュアルではオーロラ形質を「半透明鱗」と命名し分類しました。したがって,「オーロラ形質=半透明鱗」でありますが「オーロラ系統=半透明鱗」とは限りません。その理由は,以下の二つです。
①系統(オーロラ系統)と形質(半透明鱗)は座標軸が異なるため比較することができないから
②オーロラ系統の中には,オーロラ形質を持たない個体がいるから(これらの個体は「半透明鱗」と呼ばない)。
オーロラと一口に言っても,そこには系統と形質の二つの意味があることを理解すれば,愛好家同士の会話などがスムーズに行われるかと思います。
改良メダカ品種分類マニュアル p.61より
簡単に言えば、オーロラの特徴=半透明鱗 ということになりますね。
改良メダカの44種類の特徴
体色の特徴
透明鱗(とうめいりん)の特徴
目の変化の特徴
虹色素胞(こうしきそほう)の特徴
柄(がら)の特徴
ヒレの変化の特徴
体型の特徴