ガラス水槽に泳ぐメダカ、正面を向くとガラス越しにメダカの視線を感じます。
目が前を向いて出ている品種「出目目前メダカ」はメダカと目が合う不思議な感覚とひょうきんな表情で私たちを癒してくれます。

そう思われた方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず。「出目目前メダカ」は目新しい品種ではなく、むしろ古い品種だからです。
出目目前メダカがリリースされたのは２０１０年。今から１２年前（※２０２２年記述）です。
この１２年間でなんの進化もせず累代だけをしてきたわけではありません。

出目目前メダカは確実に進化し続けています。

現在の進化と比較するために、少しだけリリース当初の話をさせてください。
出目目前メダカは，目が前に向いた「目前メダカ」と、目が飛び出た「出目メダカ」との交配によって作出されました。
メダカを前から見る、なんてことを考えたこともなかったので、初めて見たときの衝撃は今でも忘れられません。
目の角度によって前から見たときの印象が変わるところも、出目目前メダカを楽しむ大きな要素の一つだと思いました。

可愛らしいメダカだなぁと思う反面、累代するのに他の品種にはない難しい部分があることが分かりました。

出目目前メダカは、頭蓋骨の変形によって表現されています。
そのため、少し歪み方が変わるだけで、口が曲がり、左右のバランスが崩れたりします。
線の細い体質も兼ね備えており、本当に種親にしたいと思う個体の固定率は、良い時で３％ぐらいしか産まれてきませんでした。
それでもこのメダカの表現は、改良メダカの中でも唯一無二の存在になると確信していたため、じっくり、じっくりと累代を重ねていきます。

そして現在。
コツコツと累代してきた出目目前メダカの固定率は５０％～７０％へと格段に上がりました。
ただ今回、厳選品種として紹介させていただいたのは、固定率が上がって育てやすくなった、というわけではありません。
１２年間、じっくりと累代し育て上げてきた出目目前メダカの進化の象徴「ヘッドライト系統」をご紹介します。

出目目前メダカの良質な個体を選ぶうえで，もっとも重要な要素が「目の角度」です。
口の歪み、やせ細りなどの体質もある中で、目の角度だけは一切の妥協を許すことなく累代し続けた結果、ほぼ真正面を向いている出目目前メダカを作出することに成功しました。
このほぼ真正面を向いている出目目前メダカだけを種親にし、累代している系統を「ヘッドライト系統」と名付け、出目目前メダカの中でも確立した存在として維持しています。
１２年間大切に累代し続けてきた出目目前メダカをじっくりとご覧ください。

今回はめだかの館で大切に累代してきた自慢の出目目前系統を販売します。
出目目前になっている個体や兄弟メダカの出目・目前個体、そして「ヘッドライト系統」のセットをご用意しました。
交配の素材としても目の変化に注力した交配は少なく、交配のバリエーション作りにも活躍する品種です。　

これから室内での飼育シーズン、ガラス水槽で鑑賞にオススメの出目目前メダカです。