淡いピンク体色にブルーのラメが入る「ピンクサファイア」。
ピンク体色はめだかの館が力を入れている体色の一つであり、サファイア発表時からピンクサファイアの作出は一つの目標でした。
最初の交配から丸2年で体色とラメ色、固定率が納得のいく結果が出ています。これまで累代を重ねてクオリティを上げており、ついに2023年3月リリースです。
淡いピンク体色にブルーのラメが入る「ピンクサファイア」。
ピンク体色はめだかの館が力を入れている体色の一つであり、サファイア発表時からピンクサファイアの作出は一つの目標でした。
最初の交配から丸2年で体色とラメ色、固定率が納得のいく結果が出ています。これまで累代を重ねてクオリティを上げており、ついに2023年3月リリースです。
ピンクサファイアの交配は少し複雑で、元をたどればオーロラピンクラメの作出から始まります。
ピンクサファイアの元となったオーロラピンクラメはスポットラメ×ブラックダイヤの交配から2021年に作出しました。当初はピンク体色を狙った交配ではありませんでしたが、F2の中に濃いピンク体色のラメ個体を数匹発見して交配したところ、通常のピンクラメとは違う発色のオーロラピンクラメが固定化できました。
このオーロラピンクラメに黒ラメ幹之サファイア系を交配すればオーロラと相性の良い青ラメが遺伝すると考えピンクサファイアを目指して交配を始めます。
F1では青と茶の2体色が生まれており、オーロラの特徴が出た青ラメ個体も多くいました。その中から茶体色のブルーラメ個体を選別して累代、F2では黄、青、茶、ピンク、オレンジ等様々な体色が生まれましたが、狙っていたピンク体色でブルーラメの「ピンクサファイア」が生まれて累代を重ね、2022年4月に固定を確認して作出できました。
ピンクサファイアは全身が透明感のある淡いピンク体色で染まり、背中一面に青く輝くラメが表現されることで宝石のような魅力を持っています。
サファイアらしいラメ色を表現するために以下の2点を重視して選別を重ねました。
1.オーロラ(半透明鱗)の形質
オーロラ(半透明鱗)は普通鱗に比べてブルーラメが入りやすい傾向がある点に着目してオーロラ表現を重視した選別することで青く密集したラメが発現します。
また、全身の体色が均一に発現しているピンク単色の個体を選別することで、オーロラ特有の体色が2色になる個体や、生まれてくる個体の体色がばらける傾向はありません。
2.ピンク体色の濃淡
ピンクサファイアの交配を始める際に完成したイメージとして、宝石のような透明感のあるピンク体色が理想であると考えました。ピンク体色は朱赤等の体色と同じで選別により生まれてくる体色の濃淡がはっきりと分かれます。理想のピンク体色にするために黒色と白色と選別容器で何回も確認しました。その結果、理想とする透明感のある淡いピンク体色の系統が完成しました。
淡く透明感のあるピンク体色を選択した理由はもう1点あります。
ブルーラメは黄色素胞の上に発現しにくい傾向があり、鮮やかなブルーラメを発現させるためには黄色素胞を調整する必要があります。淡く透明感のあるピンク体色であることにより、ピンク体色とブルーラメが最大限に魅力を発揮できています。
ピンクサファイアから派生した濃いピンク体色の系統も累代していますがブルーラメの発現は難しく、私の理想とするピンクサファイアとは違う表現となっています。しかし、濃いピンク体色の系統も累代を続けることで新しい発見があるのではと考えています。
今回は2つのピンクサファイアをグレード別に販売しています。
2つとも同じ種親から産まれた同じ系統のピンクサファイアです。
「ピンク体色」「ラメの量」「ラメの色(青さ)の質」を基準に選別しています。